空き家とは?不動産会社が解説!! ~空き家の定義と初歩的な知識~
2025.10.10

「誰も住んでいない家」というイメージだけでは語りきれない、空き家の定義や種類、そして社会に与える影響について、初歩的な知識からわかりやすく解説します。
✅ 空き家の定義とは?
「空き家」とは、一般的に人が住んでいない住宅を指しますが、法律や統計上の定義はもう少し細かく定められています。
総務省の「住宅・土地統計調査」では、空き家を以下のように分類しています:
- 賃貸用の住宅(借り手がいない状態)
- 売却用の住宅(買い手がいない状態)
- 二次的住宅(別荘など、普段は使われていない住宅)
- その他の住宅(上記以外で、長期間使用されていない住宅)
つまり、「誰も住んでいない=空き家」ではなく、利用目的があるかどうかや管理状態によって分類されるのです。
なお、2023年時点で日本の空き家数は約900万戸に達し、空き家率は13.8%と過去最高を記録しています。これは2018年の調査と比べて約51万戸の増加(+6.0%)であり、空き家率も0.2ポイント上昇しています。
🏠 空き家の種類と特徴
空き家は大きく分けて以下の2種類に分類されます:
- 管理されている空き家:定期的な清掃や点検が行われている。売却・賃貸・相続などの目的がある。
- 放置された空き家:長期間手入れされておらず、倒壊や火災などのリスクがある。
後者の「放置空き家」が社会問題として注目されており、行政による対策が進められています。
特に、**2023年に改正された「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、「管理不全空家」**という新たな区分が導入されました。これは、放置すれば「特定空家」になる恐れがある空き家を対象に、市区町村が指導・勧告を行えるようにしたものです。
また、空き家の活用を促進するために、以下のような施策も展開されています:
- 空家等活用促進区域制度
- 空家等管理活用支援法人制度
これらの施策は、空き家問題の予防・解決に向けた重要な取り組みであり、空き家に関する理解を深めるうえでも知っておきたい制度です。
⚠ 空き家があるとなにが悪いのか?
空き家の放置は、単なる「使われていない家」では済まされません。
その存在が地域社会に与える影響は、安全・衛生・経済・心理面にまで及び、深刻な問題となっています。
1. 防犯・防災リスクの増加
- 放置された空き家は、放火・不法侵入・不法占拠などの犯罪の温床になります。
- 老朽化した空き家が倒壊し、隣家や通行人に損害を与えた事例もあり、損害賠償額が2億円を超えるケースも報告されています。
2. 衛生・景観の悪化
- 雑草やゴミの放置により、害虫・害獣の繁殖や悪臭の発生が起こり、近隣住民の健康や生活環境に悪影響を及ぼします。
- 景観の悪化は地域の不動産価値を下げ、空き家の周辺では売却価格が数割下落するケースもあります。
3. 経済的・行政的負担
- 空き家の解体費用は100万~200万円以上が相場で、所有者が支払えない場合は税金で賄われることもある。
- 特定空家に指定されると、固定資産税の軽減措置が解除され、税負担が増加します。
- 行政は空き家対策に人員と予算を割かねばならず、他の福祉・教育予算が圧迫される要因にもなっています。
このように、空き家の放置は「個人の問題」ではなく、地域全体の安全・衛生・経済に関わる社会問題です。
📝 終わりに
空き家問題は、不動産業界だけでなく、地域社会全体に関わる重要な課題です。
私たちリアルソリューション株式会社では、こうした社会的なテーマにも目を向けながら、不動産業界で活躍できる人材の育成・紹介を行っています。
空き家の利活用や管理に関わる仕事は、今後ますます需要が高まる分野です。
現場で活躍する人材を支援することで、地域の課題解決にも貢献していきたいと考えています。